飲食業から独学でWeb開発者になった話
17年間の飲食業から33歳で未経験のWeb開発者に転身。独学の方法、最初の仕事、収入の変化まで実体験をすべて語ります。
僕は16歳から33歳まで、約17年間ずっと飲食業で働いてきました。パソコンの仕事なんてしたこともなかったし、自分がプログラミングをやるなんて想像すらしていませんでした。
でも今は、WordPress専門のWeb制作者として12年以上の経験があり、累計500サイト以上を作ってきました。月額制のWordPressテーマ「LiteWord」を開発・運営し、1000サイト以上が、すでにLiteWordで制作いただいてます。
「未経験から本当にWeb開発者になれるの?」「30代からでも遅くない?」
この記事では、そんな疑問に対して、僕自身のリアルな体験をすべてお話しします。キラキラした成功談ではなく、泥臭い現実を知ってもらえたらと思います。
17年間の飲食業、30歳で感じた将来への不安
僕が最初に飲食の世界に入ったのは16歳の頃です。スーパーの惣菜部、ファミレス、居酒屋、いろんなお店を経験しました。テレアポや営業など、飲食以外の仕事もやりました。
その中で一番長く働いたのが、お好み焼きや鉄板焼きを出すお店です。8年間、社員として店長や調理場を任せてもらいました。会社の方々にはものすごくお世話になりましたし、たくさん成長させてもらったと思っています。
ただ、30歳を過ぎた頃から、ずっと心のどこかにあった不安が大きくなっていきました。
飲食業は拘束時間がとにかく長い。その割に給料はなかなか上がらない。「このままでいいのか」という気持ちが、どんどん膨らんでいったんです。
もともと僕は中学生の頃から「いつか独立したい」とずっと思っていました。会社に雇われて一生働くイメージが持てなかった。でも、飲食で独立するにはリスクが大きすぎる。そんなモヤモヤを抱えながら、転職を決意したのが30代前半の頃でした。
動画クリエイターを目指すも挫折、そしてWebとの出会い
飲食を辞めた後、いきなりフリーランスとして食べていけるわけがありません。だから僕はまず、正社員からアルバイトに切り替えました。空いた時間で副業をする、という作戦です。
最初に目をつけたのは動画編集でした。実は、趣味でDTM(音楽制作)をやっていて、パソコン自体は好きだったんです。動画編集ソフトの波形操作がDTMと似ていて、「これならいけるかも」と思いました。
でも、現実は甘くなかった。
動画編集はとにかく時間がかかる。しかもデザインセンスに自信が持てなくて、不安が消えませんでした。最初のお客さんはモニター価格でゼロ円。次の仕事は、AfterEffectsで6分の動画を作って報酬7,000円。時給に換算したら100円くらいだったと思います。
そんな中、転機が訪れます。人脈をたどる中で、ウェブエンジニアスクールの社長さんと進学塾の社長さんに出会ったんです。
その方々のビジネスをサポートする仕事をもらえることになりました。ただし、サポートするにはWebの知識が必要。そこから、独学でWebサイト制作やSEO対策を学び始めたんです。
覚えては忘れるの繰り返し——独学で一番つらかったこと
独学で一番大変だったのは、「覚えたのに忘れる」を何度も何度も繰り返すことでした。
HTML、CSSの基礎を一度覚えても、1ヶ月何もしないと全部忘れる。PHPを学んでも忘れる。JavaScriptは基礎を覚えた2週間後に、きれいさっぱり消えていました。
「どうすればちゃんと身につくんだろう」
これが本当に悩みでした。楽しいんです。やってみると楽しい。でも、楽しいだけじゃダメで、仕事にできるレベルまで持っていかなきゃいけない。そこが一番つらかったですね。
学習に使ったもの
学び方としては、スクールに通うタイプではありませんでした。「今これを覚えなさい」と言われるのが苦手なタイプなので、マイペースに進めたかった。
具体的にはこんな方法です。
まず、2人の社長さんに「何を学べばいいか」という方向性を教えてもらいました。方針さえあれば、今の時代は自分で調べられます。YouTubeやUdemyで技術的な情報を探し、Google検索で足りない部分を補いました。SEOやペルソナの考え方については本を買って基礎を学び、あとは実践の中で覚えていった感じです。
WordPressは正直、すぐに使えるようになりました。もともと出来上がった仕組みなので、操作自体は難しくない。ただ、SEOやキーワード選定など「運用の知識」を理解するのには時間がかかりました。
「教える」ことで基礎が体に染みついた
僕が技術を身につけるために一番効果的だったのは、「人に教える」ことでした。
ストリートアカデミー(ストアカ)というプラットフォームで、HTML・CSSの基本を初心者に教え始めたんです。1人3,000円で2時間くらいの講座。少額でもお金をいただく以上、責任が生まれます。だからしっかりマニュアルを作り、準備をして臨みました。
初心者に基礎の基礎を教えることを何週間も繰り返すうちに、自分の中で「当たり前」になったんです。体に浸透した、という感覚でしょうか。
HTML・CSSが体に馴染んでからは、コードを書くのがどんどん楽しくなりました。「これやったら面白そう」「次はこれを試したい」と、自分から手が動くようになった。
JavaScriptとPHPは「業務にねじ込む」で覚えた
次の壁はJavaScriptとPHPでした。これもやはり、覚えては忘れるの繰り返し。
僕がとった対策は、「業務にねじ込む」ことです。
JavaScriptで書かなくてもいい部分を、わざとJavaScriptで書く。PHPで書かなくてもいい部分を、わざとPHPで書く。実際の制作案件の中に無理やり組み込んで、強制的に手を動かす環境を作りました。
最初はものすごく時間がかかります。でも途中から「当たり前」になってスピードが上がっていく。結局、JavaScriptやPHPで書いた方がサイトの効率は良くなるし、ループ処理なども簡単に書けるようになる。そうやって、少しずつ「できること」が広がっていきました。
最初の報酬ゼロ円から、1サイト30万円になるまで
独学を進めながら、少しずつ実際の仕事をもらうようにしていきました。
最初のWebサイト制作の報酬は、5万円です。WordPressのオリジナルテーマを作る仕事で、完成までに3ヶ月かかりました。本当に大変でした。
でも、そこから少しずつ金額を上げていくことができたんです。
僕の場合、あくまで自分が納得できる技術力がついてから値上げする、というこだわりがありました。相場を知らなかったこともあって、最初はかなり安く受けていたと思います。
でも振り返ると、この段階的なステップアップが良かった。安い金額でもたくさんの案件をこなすことで、技術が磨かれていったからです。
同時に、ストアカでの教える仕事も続けていたので、生活費は何とかなっていました。制作だけで食べていけるようになったのは、もう少し後のこと。自分の技術に自信が持てるようになってから、きちんと単価を上げていくフェーズに入りました。
飲食業の17年間はムダじゃなかった
「飲食業の経験なんて、Webの仕事に関係ないでしょ?」
そう思う人も多いかもしれません。でも僕は、飲食時代の17年間がなかったら、今の自分はないと断言できます。
お客さんの顔が見えるという強み
Web制作だけをやってきた人の中には、クライアントとのやり取りが苦手な人もいます。「こんなこと言われたらどう返せばいいんだろう」と不安になる人も多い。
でも僕は、飲食店で毎日お客様と接してきました。中にはかなり厳しいクレームを受けたこともあります。修羅場もくぐってきました。
だから、お客さんとのコミュニケーションで困ることがほとんどなかったんです。どうすれば怒らせないか。どうすれば喜んでもらえるか。その感覚が、すでに体に入っていた。
特にフリーランスの初期は、お客さんも個人事業主の方が多い。個人事業主の方って、ちゃんと話を聞いてくれる人、自分の思いを理解してくれる人を求めているんです。そこで飲食時代のコミュニケーション力が、ものすごく活きました。
「教える」スキルも飲食で培われていた
飲食店では、常にスタッフに仕事を教える立場でした。人に教えるときの流れ——まず大枠を伝えて、個別の技術を一つずつ説明して、最後につなぎ合わせる。
このロジックは、Webの講座で生徒さんに教えるときも全く同じでした。臨機応変に相手のレベルに合わせて対応する力も、飲食時代に身についたものです。
技術は後から学べます。でも、人と向き合う力は一朝一夕では身につかない。17年間の飲食経験は、僕にとって最大の武器になりました。
| 飲食業での経験 | Web制作での活かし方 | |
|---|---|---|
| 接客・クレーム対応 | → | クライアントとの円滑なコミュニケーション |
| スタッフ教育 | → | 講座運営・生徒への指導 |
| 修羅場での判断力 | → | トラブル対応・交渉力 |
| 段取り・効率化 | → | プロジェクト管理・納期遵守 |
まとめ
僕のキャリアチェンジは、決してスマートなものではありませんでした。
33歳で未経験からスタートして、アルバイトと掛け持ちしながら、覚えては忘れるを繰り返して、最初の制作報酬は5万円。そこから少しずつ、本当に少しずつ、技術と収入を積み上げていきました。
でも、だからこそ伝えたいことがあります。
「年齢は関係ない」とは言いません。30代からのスタートは、正直ラクではなかった。
でも、「始めるのに遅すぎることはない」は本当です。方向性を教えてくれる人を見つけること。覚えたことを忘れないために、教えるか、仕事にねじ込むこと。最初は安くてもいいから、実際にお金をもらって仕事をすること。
この3つを愚直にやれば、未経験からでもWeb開発者になることはできます。
そしてもう一つ。前職の経験は絶対にムダにならない。むしろ、技術だけの人にはない「強み」になります。
もし今、キャリアチェンジを考えている方がいたら、まずは小さく動き始めてみてください。
LiteWordのご紹介
僕がこれまでの制作経験をすべて詰め込んで作ったのが、WordPressテーマ「LiteWord」です。月額980円で使えるサブスクリプション型のテーマで、専門知識がなくてもプロ品質のサイトが作れます。
「自分でホームページを作りたいけど、何から始めればいいかわからない」という方は、ぜひ一度チェックしてみてください。